人が行き交う鉄道の駅。都市部であれば利用客も多い。誰もが使いやすという必須条件の中、JR西日本の久保田修司理事に駅の将来について話を聞いた。
--近未来の鉄道の駅とはどういうものか
「JR西日本では、さらなる安全と安定輸送の追求、魅力的なエリア創出の一翼を担うサービスの提供、持続可能な鉄道・交通サービスの構築という3つの柱からなる『JR西日本技術ビジョン』を掲げているが、駅はこれら全てに関係している。近未来の駅は、デジタル技術や最新の知見を生かし、このビジョンを実現するものと考えている」
--具体的な取り組みも始まっている
「さまざまなドアタイプに対応する世界初のホームドアや段差解消機構、大画面ディスプレーを活用した可変式の案内サイン、視覚障害者向けのナビゲーションシステムなどの開発を続けている。これらの実用化を通じ、顧客の安全性や利便性はもちろん、当社の生産性向上にもつなげていきたい」
--こうした取り組みに社外の技術や知見を取り込んでいる
「いわゆる『オープンイノベーション』として協業を積極化することで、これまでにない技術やアイデアに基づいた改革がスピーディーにできる。自前で改善を続けてきたが、今後は社外の技術も活用し社会の流れやニーズをくみ取った駅にしていきたい」
くぼた・しゅうじ 京大大学院機械工学修士修了。平成元年、JR西日本入社。近畿統括本部網干総合車両所長、鉄道本部車両部長、執行役員などを経て、令和3年6月から理事鉄道本部副本部長・鉄道本部イノベーション本部長。58歳。兵庫県出身。