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歩いて育てる「ピクミン」はポケモンGOと両立できる? 位置情報ゲームには“逆風”も

SankeiBiz編集部
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 位置情報を利用した「ポケモンGO」で知られるゲーム企業の米ナイアンティックは日本時間27日、任天堂と共同開発したスマートフォン向けアプリ「Pikmin Bloom(ピクミン ブルーム)」の配信をオーストラリアとシンガポールで開始した。ダウンロードは無料で、日本などの国でも順次配信される予定だという。一方、米グーグルがデジタル地図「グーグルマップ」をゲームに利用できるサービスの停止を決めたことで、一部のゲームが対応を迫られる事態も発生。新型コロナウイルス禍での外出自粛の影響もあり、位置情報ゲームには逆風も吹いている。

 「ピクミン ブルーム」は、任天堂が2001年に発売して印象的なテレビCM曲とともに話題になったニンテンドーゲームキューブ向けソフト「ピクミン」のIP(知的財産)を活用。開発は「ポケモンGO」を手掛けたナイアンティックのゲームデザイナー、野村達雄氏が率いるスタジオが主導した。

 スマホが取得する位置情報と連動して、実際に歩くことで植物の性質を持つ不思議な生き物・ピクミンが育つ。ゲーム内のマップに花を咲かせたり、1日の終わりに歩いた距離とルートを振り返って思い出を残したりする機能もある。

 川島優志副社長は直近の著書『世界を変える寄り道 ポケモンGO、ナイアンティックの知られざる物語』(日経BP)の中で「『ポケモンGO』とは全く違うコンセプトで開発された」と明かした。広報担当者は「スマホをポケットや鞄に入れたままでも歩数をカウントし、ゲームをお楽しみいただくことができます」と話し、「ポケモンGO」との“両立”は可能だとしている。ナイアンティックは「トランスフォーマー」とコラボした位置情報ゲームも開発中だ。

落とし穴は回避したが…

 一方、位置情報ゲームは運営状況の厳しさが増している。グーグルが18日、グーグルマップが持つ地図や建築物の位置などのデータをゲーム作りに利用する「Google Maps Platform ゲームサービス」の提供を来年末に停止すると発表し、同時に新規登録を締め切ったためだ。

 これを受けて同サービスの機能を利用していた「ドラゴンクエストウォーク」(スクウェア・エニックス、コロプラ)は、別のサービスに順次切り替えることで運営を継続する方針を示した。「妖怪ウォッチワールド」(レベルファイブ、ガンホー)の担当者も「現時点では影響はありませんが、変更する際には告知します」としている。

 以前は「ポケモンGO」でもグーグルマップの機能が使われていたが、既にオープンソースの地図作成プロジェクト「オープンストリートマップ」に切り替わっている。グーグル頼りの“落とし穴”を上手く避け、混乱は広がっていないようで、一部の勝ち組が市場を牽引(けんいん)している様子も透けて見える。

 位置情報ゲームをめぐっては、マイクロソフトが6月、ユーザーが外を歩き回り、友人と集まって楽しむことが難しい状況だとして「Minecraft Earth」を終了させており、新型コロナの影響も小さくない。先が見えない状況で「ピクミン ブルーム」がどれだけユーザーの心をとらえられるかが関心を集めそうだ。

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SankeiBiz編集部 SankeiBiz編集部員
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