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休日は混雑、平日ガラガラ…キャンプ場“サブスク化”で日常利用は普及するか (1/2ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 動画や音楽などの市場で拡大している定額サービス、サブスクリプション(以下サブスク)が、近年ブームに湧いているキャンプ業界にも取り入れられ始めている。家族連れなどで賑わう週末と異なり、利用客が激減する平日のキャンプ場利用を促す手段として、地域のキャンプ場が連携し、定額で「平日使い放題」とするサービスだ。一見、キャンプブームに乗った新規ビジネスモデルのように見えるが、「休み方と働き方」に関する提案を込めた“社会実験”という意味合いもある。

 1万5000円で平日3カ月使い放題

 過熱するキャンプブームによって多くの利用者で溢れかえる週末のキャンプ場。人気のキャンプ場ともなれば数カ月前から週末の予約が埋まることも、もはや珍しいことではない。一方で平日は利用客がぱったりと途絶え、鳥のさえずりが聞こえるほどに自然本来の姿を取り戻す。

 この偏りを「日本の観光業の宿命」と指摘するのは、南信州エリアのキャンプ場やキャンプにかかわる企業で構成する「南信州キャンプセッション」の共同代表、久保田雄大さん(38)。海外での勤務経験がある久保田さんは、週末に一斉に休みをとり、観光地へと向かう日本特有の「休み方」の習慣について「週末の『オーバーツーリズム』(過剰な観光客)を招き、結果としてサービスの低下を招いている」と強調する。

 そこで久保田さんらが発案したのがキャンプ場のサブスクサービス「CAMP LIFER」だ。ソロキャンパーを対象に、久保田さんが運営する「四徳温泉キャンプ場」を含む南信州エリアにある7つのキャンプ場を3カ月間平日限定で「使い放題」とする内容で、料金は月額税込み5000円で合計1万5000円。長野県が出資する長野県観光機構とも連携して展開している。昨年9月に第1期を開始し、今秋(9月1日~11月26日)ですでに3期目を迎えた。

 第1期のユーザー45人に実施したアンケートによると、東京や愛知県など県外からの利用者が多く、県内の利用者は2人という結果に。多くの人が2回以上来場し、合計泊数は6泊までが大半を占めたが、「12回来場」「20泊以上」というケースもあった。「休日で混んでるキャンプ場とは全く違うゆっくりとした時間が感じられる」「今まで足を運んだことがなかった地域を知ることができた」と好評を博している。2期、3期と回を重ねるにつれリピーターも現れ、利用者は40人程度で推移している。

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