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日本精密測定機器工業会会長の吉田均さん(61) 大変革期をチャンスに産業発展貢献

 --10月6日から計測器産業の最新技術や製品を集めた総合展示会「測定計測展2021」を開く

 「当工業会に加盟する企業はさまざまな測定機器を製造してきた。ものづくりには変位や質量、成分などの測定・分析が欠かせず、あらゆる分野の製造業と密接にかかわっている。10月の展示会では、自動化への対応のほか、精度やスピードを高めた次代の計測機器を垣間見ていただくことができそうだ。高精度なものづくりは効率化を実現し、温室効果ガスの排出削減などにも有効だ。そのためにはこれまで以上の高度な測定や分析が求められる。当工業会も参画する航空機部品製造分野などでの規格標準化といった取り組みも含め、ものづくりを支える計測機器の未来を発信したい」

 --新型コロナウイルス禍で経済環境は不透明だが、精密測定機器市場の動向は

 「産業別にみると現在の需要先は自動車関連が多く、工作機械向けなどとともに4~6月期は前年同期比20%以上の増加となるなど回復基調が鮮明になっている」

 --今後の市場の展望は

 「多くの産業が大変革期に差し掛かっている。自動車の場合は電動化や自動運転に向けた動きが本格化しつつある。エンジンからモーターやバッテリーなどに主要な部分がシフトするとみられ、これに伴う新たな測定・分析分野が増えつつある。一方、これまでの抜き取り検査から全数検査をにらんだ投資も増加している。そうした新しい動きはさまざまな分野で進む。短期的には半導体不足や資材高騰などが心配されるが、中長期的には大変革期をチャンスととらえ、産業の発展に貢献したい」

 【プロフィル】吉田均(よしだ・ひとし) 明大工卒。昭和58年、東京精密入社。計測社執行役員、同執行役員常務、取締役などを経て平成19年計測社執行役員社長、23年代表取締役、27年から代表取締役社長CEO(最高経営責任者)。令和2年6月から日本精密測定機器工業会会長。茨城県出身。

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