外食大手ロイヤルホールディングス(HD)傘下のファミリーレストラン「ロイヤルホスト」、天丼チェーン「てんや」など計約350店舗で、タブレット端末を使って食材管理や作業状況を記録できる業務用アプリが導入された。このペーパーレス化によって、ロイヤルHDでは年間10万枚以上の紙を削減できる見込み。衛生水準や業務効率の向上も期待されている。
「ノンデスクワーカー」向けに特化したアプリ
ロイヤルHDで導入された業務用アプリを開発したのは、ソフトウェアをネット経由で提供する「SaaS(サース)」事業を手がける「カミナシ」(東京都千代田区)。店舗や工場などの現場では作業のチェックリストや伝票、日報の作成など紙が主流で、ペーパーレス化があまり進んでいなかったため、現場で働く「ノンデスクワーカー」向けに特化した業務改善アプリを開発した。
作業手順や品質のチェック項目などをタブレット端末で容易に管理できるほか、タブレット端末のカメラと連携させ、業務を一元管理できる機能も備わっている。クラウドで情報を集約できるため、ロイヤルHDでは、本部が各店舗の状況をリアルタイムで確認できるようになり、業務の効率化も進んだという。
ロイヤルホストではこれまで、衛生管理の国際標準「危険度分析による衛生管理(HACCP)」に沿った衛生管理を紙の帳票に記録していたが、アプリの導入で1店舗あたり月間40枚の削減に成功。削減効果は全店舗で年間10万枚以上とされる。また、ボールペンやバインダーをキッチン内に持ち込む必要がなくなり、同じ帳票を使い続ける必要もなくなったため、店舗内の衛生レベル向上にもつながったという。
カミナシの宮城徹也事業部長(31)は「店舗や本部の業務効率化はもちろん、店舗の衛生水準の向上にも寄与できていることを大変うれしく思っている。今後もお客さまの現場DX(デジタルトランスフォーメーション)をサポートしていきたい」としている。