新型コロナウイルス禍で「おうち時間」が増加する中、“コンビニ弁当離れ”が加速していることが、伊藤忠グループのリサーチ会社「マイボイスコム」(東京都)の調査で分かった。コンビニ弁当を利用しない人は近年増加傾向にあったが、コロナ禍でさらに拍車がかかった形だ。
利用しない人が過半数
調査はインターネットを通じ1万143人を対象に実施。コンビニ弁当の購入頻度に関する質問で最も多かったのは「利用しない」の53.8%だった。40.0%だった2009年から13.8ポイント増加した。また、4人に1人(24.5%)が月に1回程度しか利用しないと回答。月に2~3回程度が10.5%と続いた。
一方、週に1回程度利用する人は6.1%、週に複数回が5.0%と、比較的頻繁にコンビニ弁当を購入する人は1割にとどまった。
購入する弁当の価格帯についても変化がみられ、2年前の前回調査では、500円以上の弁当を購入する人が26.8%だったのに対し、今回の調査では33.7%に増加した。高価格帯の弁当を求める人は2013年から右肩上がりで増加しており、同社は「消費者が少し高くてもより良い商品を求めている」と分析している。
では、コンビニ弁当を購入する人が重視していることは何か。アンケートでは「見た目が美味しそう・きれい」「価格」が4割、「味」が3割、「健康に配慮している」「さまざまな種類のおかずが入っている」「野菜の量や種類が多い」がそれぞれ2割弱(いずれも複数回答)だった。
昨今の健康ブームの高まりを受け、セブン-イレブン・ジャパン、ローソン、ファミリーマートの大手3社などコンビニ各社では「健康バランス弁当」や「1食分の野菜が摂れる」など、高たんぱくや低糖質などをうたった健康機能を売りにした商品を発売しているが、頻繁にコンビニ弁当の購入している人は、見た目や価格に重きを置いていることがうかがえる。
コンビニ弁当を購入する場面では、「別の用事で寄ったタイミングで、お昼ご飯などがきまってない場合」(男性21歳)、「いつも購入している弁当屋が飽きたときや電子マネーが貯まったとき」(男性47歳)、「時間がない、手抜きをしたい、料理が面倒な時」(女性33歳)などの意見が寄せられた。