新型コロナウイルス感染拡大に伴い、東京都では4度目の緊急事態宣言が発令される中、小学生の子供を持つ親たちの多くが、コロナ禍での子供の学習について「悪い影響がある」と感じていることが、金融関係のメディアを運営するエイチームフィナジー(大阪市)の調査で分かった。16日には関東甲信、東北地方でも梅雨が明け、いよいよ夏本番だが、子供の夏休みを前に親たちの心境は複雑なようだ。
社会性、勉強不足を心配
コロナ禍は子供の成長・学習にどのような影響を与えているのか。小学生の子供を持つ20~40歳の男女207人を対象にアンケートを取ったところ、「かなり悪影響があると感じる」「やや悪影響があると感じる」と答えた人は合わせては70.1%に上った。
理由については、「学習は特に問題ないが、友達と遊ぶ頻度が下がっているので、親を頼ることが多い印象がある。社会性の低下は感じる」「自宅にいることが多くなったので、だらけてしまって勉強しないときがある」といった回答が寄せられ、子供のコミュニケーション能力低下や勉強不足を心配する声が少なくなかった。
「影響は感じていない」(19.3%)、「分からない」(7.1%)という回答がある一方、「ややいい影響があると感じる」(2.4%)、「かなりいい影響があると感じる」(1.0%)という回答もあった。コロナ禍の影響をポジティブに捉えている人は、「家にいる時間が増え、勉強に取り組むようになった気がする」「父親が早く帰ってきて教えられる」点を理由に挙げている。少数派ではあるが、コロナ禍での「おうち時間」の増加が、子供の成長にプラスに作用すると考えている親もいるようだ。
子供の学習について、勉強に積極的に介入する親が多いことも今回の調査で明らかになった。「子供に早く宿題するように叱ったり、注意したことはある?」との質問に、「よく注意する」「注意したことがある」と答えた人は約8割を占めた。また、「子供の宿題を手伝ったことはある?」との質問で最も多かった回答は「教えながら一緒にやったことがある」で54.1%、「手を貸すことはないが、方法のアドバイスをしたことがある」(20.3%)、「特に手伝うことはない」(18.4%)と続いた。
今年は感染防止対策をする中での東京五輪・パラリンピック開催と、過去に類を見ない「夏」となりそうだが、子供の夏休みの勉強について親たちはどう見ているのか。
夏休みの学習姿勢についての予想では「学習への姿勢はコロナ禍前と変わらない」との回答が半数以上の51.2%に及んだ。「やや積極的に取り組みそう」(15.9%)、「かなり積極的に取り組みそう」(14.5%)との回答もあり、約3割の親が今年の夏休みには子供の勉強が捗(はかど)ると予想していることも分かった。