大阪府の吉村洋文知事は12日、新型コロナウイルスワクチンの接種状況に応じて社会経済活動を段階的に再開していくための「出口戦略」策定に向け、政府の新型コロナ感染症対策分科会の尾身茂会長とオンラインで意見交換したことを明らかにした。尾身氏は「40~50代への接種を重点的にやるべきではないか」といった見解を示したという。府庁で記者団に答えた。
吉村氏によると、尾身氏との意見交換は、府が作成中のロードマップ(行程表)の案について疫学的観点から意見を聴くことなどを目的とし、12日に非公開で行った。吉村氏は「さまざま議論をさせていただいたが、案作りのためにやっており、中身(の詳細)は差し控えたい」とした。
一方、吉村氏は、今週末か来週初めをめどに疫学や経済の専門家らを集めた会議を開き、行程表の案について意見を聴く方向で調整していることも明らかにした。府内で感染が急拡大しない限り、今月中の成案化を目指す考えを改めて示した。
府は6月30日の幹部会議で、行程表の素案を示した。素案は、2回のワクチン接種を終えた府民の数に応じて8月以降を3段階のステージ(A~C)に分類。接種完了者が府民の70%(650万人)を超え、集団免疫を獲得したステージCでは、休業要請などの制限を原則解除する考え方だ。府は段階的に制限を緩和するための指標の見直しなどを検討している。