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全国銀行協会 コロナ禍の企業支援「資金繰りから次のフェーズへ」

 □全国銀行協会・高島誠会長(三井住友銀行頭取)(63)

 --新型コロナウイルス禍で苦しむ企業に対して金融機関が資金繰りを支援しているが、その結果、企業の債務が増えている

 「ワクチン接種が拡大しているので、秋に向けて経済活動が活発化し、多くのビジネスが復活すると期待している。(実質無利子・無担保融資による企業支援から)次のフェーズ(段階)への挑戦が始まろうとしている。それぞれ状況の異なるお客さまの実態を丁寧に把握をした上で、事業再生のためにどのような支援が必要なのか各銀行は提言をし、ひとつひとつ進めていくことが重要な局面に来ている」

 --具体的に、どのような支援が中心になるのか

 「事業内容自体を再構築するということに関して、しっかりとコンサルティングをしつつ、対応していく段階になる。(一部が借金ではなく資本と見なされる劣後ローンのような)資本性資金を供給するような対応が必要になる。一部では債務整理を交えた上で事業再生を探っていく機会も増えてくるだろう」

 --政府が解禁を検討している給与を働く人のスマートフォン決済などの口座に直接入金する「デジタル払い」による金融機関への影響は

 「給与を受け取る側のオプションが広がる意味では、顧客にとっては悪い話ではない。デジタルを好む顧客が一定数いることを考えれば、(銀行を介さずにデジタルで給与が支払われることによる)金融機関への影響は否定できない。ただ、賃金である以上は安心・安全な仕組みが必要で、それをどのように担保するかが一番大きな論点だ。(資金移動業者による資金の預かりを禁じている)出資法上の問題もあり、法的な枠組みをしっかり整理する必要がある」

【プロフィル】高島誠

 たかしま・まこと 京大法卒。昭和57年に住友銀行(現三井住友銀行)入行。三井住友銀行常務執行役員、同取締役専務執行役員などを経て、平成29年4月から頭取。令和3年7月に全国銀行協会に就任。広島県出身。

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