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任天堂もゲームでプログラミング教育推進 IT人材確保へ関連ビジネス活況 (1/2ページ)

SankeiBiz編集部
SankeiBiz編集部

 2020年度から小学校でプログラミング教育が必修化され、中学校では今年度からより高度な技術や深い思考が求められるようになった。子供のプログラミング教育はよく水泳の授業にたとえられる。誰もがクロールで好タイムを出す必要はないが、確実に体力をつけられる上、いざというときに役立つ可能性があるためだ。プログラマーを目指さない人も論理的思考力が鍛えられ、将来の仕事に生かせるかもしれない、というわけだ。ゲーム大手の任天堂は今月11日、遊びながらゲームの仕組みを学べるプログラミング学習ソフトを発売。学習塾の栄光も専門の教室を展開するなど、プログラミング教育関連のビジネスは活況を呈している。

転ばぬ先の…

 人型のキャラクターを動かし、頭上にあるリンゴを取る--。与えられた課題に対し、コントローラーを操作してみるが、キャラクターは左右に動くばかりで、ジャンプしてリンゴを取るような動作はできない。困っているとナビゲーターが現れ、「このゲーム…実は……作りかけなんです!!」と種明かしをする。任天堂の主力ゲーム機「Nintendo Switch(ニンテンドースイッチ)」用のプログラミング学習ソフト「ナビつき! つくってわかる はじめてゲームプログラミング」の冒頭のシーンだ。

 プログラミング画面と、プログラムによってできたゲーム画面を切り替えながら遊べるのが特徴だ。プログラミングの画面ではネットワークを構成する要素「ノード」を、さまざまな姿と役割を持つ「ノードン」というマスコットに置き換えて可視化し、コンピューターにおける入力と出力の関係を分かりやすく教える。

 冒頭のシーンは、コントローラーのスティック操作に関わる「スティックノードン」と人型のキャラクターを表示させる「ヒトノードン」の間に、スティックを左右に倒すと同じ方向にキャラクターが動くという約束事があるため、プレイヤーは思うように動かせた、ということになっている。

 「これを参考に『ボタンノードン』を追加して、特定のボタンを押したときにジャンプするように『ヒトノードン』を設定すればリンゴをとることができますよ」。プログラミングの初心者でも理解しやすい説明とともに、プレイヤーを次第にプログラミングの世界に誘う設計がなされており、ゲームの完成まで導く。失敗を避けようとする子供にも配慮された設計だが、プログラミング言語でコードを書き、エラーの原因を見つけ出しては改善するのも訓練の一つとされる実際のプログラミングと異なり、いわば“逆転の発想”と言える。

 任天堂は2018年から、ダンボールで工作した釣り竿やピアノとNintendo Switchのコントローラーを組み合わせて遊ぶ「Nintendo Labo」シリーズを販売。その体験会で簡単なプログラミングに挑戦した人たちの反応が良かったことから「はじめてゲームプログラミング」では初心者のフォローに注力し、「完成させる体験」の提供を心がけたという。

 このソフトを通して、小中学生らはどのように考えや態度を変えていくのか。任天堂の広報担当者は「本作を楽しく遊びながらゲームを作っていくだけで、プログラミングというものが自然と理解できるようになると考えています。タイトルにもある通り、まずはプログラミングが初めてという方に、このソフトでプログラミングを始めていただけるきっかけになればありがたいです」と話し、“逆転の発想”が間口を広げることに期待を込める。

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