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北海道初の「お肉の自販機」登場 道民の心をくすぐり大反響、ソウルフードも

 北海道小樽市に道内初の「お肉の自動販売機」が登場し、話題を集めている。販売商品は道産牛ヒレステーキや道民のソウルフード、ジンギスカンなどさまざま。1日から販売を始めたばかりだが、新しいものが好きな道民の心をくすぐり「予想以上の反響」と発案した伊藤商事の伊藤博史社長(51)。コロナ禍の中、人と対面せずに購入できることも追い風で「商品の補充が間に合わない」とうれしい悲鳴を上げている。

 同社は昨年まで札幌市北区で精肉店「ミートショップいとう」を経営。地域に根差した営業で常連客も多い人気店だったが、8月に入居していた建物が火災。11月に札幌市との境界に近い小樽市銭函に移転し、食肉工場として再出発した。ただ、移転先は工業地帯で小売りは不可。それでも「肉を売ってほしい」と足を運ぶ常連客が多かったことから、新たな販売方法を考えたという。

 伊藤さんは模索を続ける中、今年6月1日に食品衛生法と北海道の食品衛生法施行条例が改正され、屋外設置型の自動販売機で包装された冷凍の食肉販売が可能になるという情報を入手。自動販売機メーカーに直接折衝し、法改正のタイミングに合わせて今月から冷凍加工肉を自販機で売り出すことを決めた。

 工場敷地内には「お肉の自動販売場」のネーミングで、オリジナル焼き肉のたれなどを販売する自販機2台と冷凍肉用の自販機2台の計4台が並ぶ。品ぞろえは日々の仕入れ具合で変わるが、「ウルグアイ産牛サーロインステーキ(120グラム2枚入り)」(980円)や「道産牛ひれステーキ(70グラム4枚入り)」(2千円)など10種類前後を用意。コロナ禍で取引先の飲食店が休業しているため「在庫品をセール価格で販売することもある」といい、価格の安さも手伝って平日の昼間でも客足は途絶えないという。

 9日午後も“来店客”は相次ぎ、札幌市に隣接する石狩市花川から車で30分ほどかけて来たという50代男性は「24時間買えるのがいい。コロナの影響もあるのだろうけど、新しい販売方法が面白い」と5点ほど購入。また、札幌市豊平区の会社員、佐藤麻奈美さん(34)は「きょうで3度目。お目当ての馬刺しがなかったので、塩ホルモンを買った。また来たい」と話した。

 ユニークな取り組みはインターネットやSNS(会員制交流サイト)などで拡散。聞きつけた人たちが毎日のように押し寄せ、「1日に10回以上、商品を補充することもある」と伊藤さん。9月ごろまでに、もう1台増設する計画で「肉以外の新たな商品も開発中。楽しみながらこの地域の話題づくりをしたい」と話している。

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