「ポケモンGO」で知られる米IT企業のナイアンティックは14日夜、AR(拡張現実)技術を使ったスマートフォン向けアプリ「TRANSFORMERS: Heavy Metal(トランスフォーマー:ヘビーメタル)」を年内に提供すると発表した。ナイアンティックの関係者は同日SankeiBizの取材に対し、「ダウンロードは無料になる」と明かした。全世界を対象にリリースする予定だが、近日中に一部の地域で試験的に公開する。
「トランスフォーマー」は車や飛行機に変形するロボットをテーマにしたタカラ(現タカラトミー)の玩具シリーズ。1980年代に日本や米国でアニメが放送されてブームを呼び、2007年からマイケル・ベイ監督によるハリウッド映画が公開された。「トランスフォーマー:ヘビーメタル」でも、日本ではタカラトミーが、それ以外の国・地域では米国の玩具メーカーのハズプロがパートナーとして参加する。
ゲームの開発は米シアトルに拠点を置くVery Very Spaceshipが主導するという。アプリの発表にあたり、ナイアンティックのジョン・ハンケCEOは「トランスフォーマーはARにぴったりです。AR技術を使用し、巨大ロボットと一緒に現実世界で戦ったり、触れあえることは素晴らしい体験になると思います。世界中のトランスフォーマーファンの皆さんの高い期待に応えられるよう、これまでプレイしたことのないようなゲームが提供できるように開発を行なっています」とコメントした。
AR技術を広めた「ポケモンGO」の登場は約5年前だが、ARゲーム業界の勢いは衰えていない。調査会社のアップアニーが作成した2020年のゲームアプリ国内売上ランキングでは、トップ10に「ポケモンGO」(7位)だけでなく、「ポケモンGO」と同じようにAR技術と位置情報を活用するスクウェア・エニックスの「ドラゴンクエストウォーク」(5位)が入った。
ナイアンティックは今年3月、同社の東京のスタジオを中心に、任天堂の「ピクミン」を起用したアプリを共同開発していると発表しており、AR技術のさらなる発展に力を入れている。一方、マイクロソフトは「Minecraft Earth」のサービスを今月末で終了すると発表しており、ARゲーム業界でも競争が激しくなりつつある。