少し前、ファイナンシャルプランナーや介護ジャーナリストを集めて、「ケアハウス」の勉強会をおこないました。老後生活が厳しくなる中で、ケアハウスのニーズは高まっているのに、ケアハウスの情報が少なすぎると感じているからです。勉強会の参加者で、ケアハウスを見学した経験を持つ人は、私ともう1人だけ。老後資金アドバイスの中で重要な役割を果たすはずの施設なので、多くの人に情報収集をしてほしいと考えています。
ケアハウスは軽費老人ホームのC型に当たる施設で、要介護認定を受けていない人が申し込めます(「一般型」の場合)。部屋の広さは21・6平方メートル以上が望ましいとされ、介護付有料老人ホームと比べても遜色のない広さです。ケアハウスのメリットは、費用の安さ。ケアハウスは公的施設ではないものの、事務費に助成があるため、収入が少ないほど、月の負担は軽くなります。
事務費は、1カ月1万円から9万円程度(上限額は施設で異なる)に区分されており、年収が150万円以下の方は、1万円の負担で済みます。ここでの年収は、税金や社会保険料、医療費などを控除した金額になります。月々の負担は、事務費のほかに住居費や食事代などを含めて、7万~10万円程度で暮らせるところがたくさんあります。入居時に収める保証金は、300万円や500万円などとするところも一部にありますが、多くは数十万円程度。賃貸住宅の礼金や敷金ほどの負担で済みます。私が見学した中には、男女別露天風呂があるなど、有料老人ホームと変わらない設備のケアハウスもあります。
また、ケアハウスの中には「介護型」を併設していたり、「混合型」といって、介護を受けている人が受けていない人と同じ建物内で暮らせるものもあります。介護型や混合型のケアハウスは、要介護1以上から申し込みが可能。特別養護老人ホームは、要介護3以上にならないと申し込みできない現実を考えますと、介護型ケアハウスを探してみるのは、老後資金に不安がある方ほど介護への備えにつながるはずです。(ファイナンシャルプランナー 畠中雅子)