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ベガハウス 国産材シフト、国の明確な施策必須

 □ベガハウス社長・大迫学さん(47)

 --ベガハウスとはどんな会社か。強みは何か

 「『暮らしを建てる』をコンセプトに注文住宅を手掛ける工務店で、鹿児島県(離島を除く)を施工エリアとしている。全国の工務店から認められた設計力と、確かな技術を持つ大工集団による施工力で、建築と家具と庭が一体となった、唯一無二の家を創造する。年間30棟に限定して受注し、県内に400棟以上の実績がある」

 --輸入材の価格高騰と供給不足が起きている。木材製品の調達などで、どのような影響が生じているか

 「木材価格が10~15%程度上昇しているが、協力業者のサポートもあり、当社では毎月2~3棟の上棟というペースで9月まで確定している。見積もりから支払いまでにタイムラグがあり、その間で高騰した価格の差額を会社負担とするか、施主へ請求するかの判断が難しい。ただ現状では1件あたり数十万円程度で、これ以上高騰しない限りは他の資材と同様、許容範囲と考えている」

 --一部では「ウッドショック」とも呼ばれている

 「一時的か長期的か、見極めが必要だ。国産材の供給は、協力業者との日頃の信頼関係が重要と考える。そもそも価格は木材に限らず、電気やガソリンなど、常に上昇している。IT活用やオンライン会議の普及による交通費や交際費の削減などで全体のバランスを取りたい」

 --日本全体で輸入材への依存度を下げるには国産材へのシフトが不可欠だが、そのために必要な取り組みは

 「業界としては国の明確な施策が必須だ。施策がなければ、市場原理で国産材・輸入材を問わず、安い木材に依存するのは当然だからだ。一方、1社単位で依存度を下げるのは比較的容易だ。地元の林業と提携し、100%国産材で家を建てる工務店もある。そうした事例に学び、川下側(工務店)が川上側(林業)を理解し、お互いに利益を得られる仕組みを生み出すことが必要だ」

【プロフィル】大迫学

 おおさこ・まなぶ 北九州ポリテクカレッジ卒業後、ゼネコン現場監督、設計事務所を経て2001年にベガハウス入社。数百棟の住宅建築の設計に携わり、19年から現職。一級建築士、一級施工管理技士。鹿児島県出身。

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