内閣府が13日発表した4月の景気ウオッチャー調査では、街角の景気実感を示す現状判断指数(季節調整値)が前月比9・9ポイント下落の39・1と3カ月ぶりに悪化した。新型コロナウイルスの感染「第4波」で3回目の緊急事態宣言が発令され、2、3月に持ち直しかけた景気の潮目は反転。コロナ不況のさらなる長期化を警戒する声が相次いだ。
「大型連休の休業による損失は甚大で、給付金など相応の支援やワクチン接種の急拡大がなければ、事業の存続が厳しい状況だ」(近畿の遊園地経営者)
4月調査では、書き入れ時を直撃した宣言で打撃を受けたサービス関連の業種から憤りの声があふれた。
現状判断指数の下落幅はコロナ禍が深刻化した昨年3月(13・0ポイント下落)以来の大きさで、家計関連が11・9ポイント下落の35・4と特に厳しい。3回目の宣言で自粛対象になった大型店舗では「宣言の繰り返しで一向に先行きが見えず、所得も貯蓄も減る一方だ」(東京都のショッピングセンター統括)と嘆く声が上った。
一方、企業関連は5・0ポイント下落の45・8と落ち込みが小さい。「半導体向け需要が引き続き好調だ」(東海の化学工業営業担当者)など、製造業を中心に活況な業種も多くみられる。
内閣府は「新型コロナの影響による厳しさが残る中で、持ち直しに弱さが見られる」と総括し、判断を3カ月ぶりに下方修正した。2、3カ月後の見通しを示す先行き判断指数は、8・1ポイント下落の41・7だった。
景気ウオッチャー調査は各地の経営者や商店主らの景気評価を指数化したもので、50を下回ると景気が悪いと感じる人が多いことを示す。今回の調査期間は3回目の宣言発令決定後の4月25~30日、全国の1817人から有効回答を得た。