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鉄道変動運賃制を本格検討 国交省、JR東などと調整へ

 国土交通省は、11日の交通政策審議会の部会に提出した第2次交通政策基本計画案に、時間帯などで運賃を変える「変動運賃制(ダイナミックプライシング)」を検討すると明記した。基本計画は、部会の有識者の意見を踏まえて5月下旬に閣議決定される見通し。国交省は計画に基づき変動運賃制の効果や課題について本格的な検討に入る。変動運賃制はJR東日本などが検討しており、同社の深沢祐二社長は同日の会見で「どういう施策を打ち出せるか関係方面と検討したい」と述べ、国交省との調整を進める考えを示した。

 基本計画案では、通勤時間帯の混雑緩和を促進させる具体案として、「変動運賃制」の検討が盛り込まれた。ただ、変動運賃制は、オフピーク時の値下げの一方でピーク時の値上げにつながるおそれがあり、利用者から不満が出る可能性もある。このため、基本計画案には「効果や課題について十分に検討する」との“ただし書き”も盛り込まれた。部会の委員からも「今後の施策について、皆さんの意見を聞きながら慎重に検討したい」との声が上がった。

 昨年来、ピーク時の混雑緩和のために変動運賃制の検討を表明しているJR東日本の深沢社長は同日の会見で、具体的な変動運賃制導入の方法として、オフピーク利用に限定する代わりに通常定期券よりも安い「オフピーク定期券」を強調。「朝の通勤時間帯は定期を利用している人が多い。オフピーク定期券の実現に向けて努力していく」と述べた。

 JR東日本は3月15日から、通勤ピーク時間帯の前後に定期券で改札を通過した場合に、同社のポイントを還元する施策を開始している。

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