NRIデジタル社長・雨宮正和さんに聞く
--今年8月に設立5周年を迎える
「設立時に『われわれはDX(デジタルトランスフォーメーション)において(親会社の)NRI(野村総合研究所)グループのタグボート(曳舟)になる』と宣言した。グループの先頭に立ってDXの道を切り開くことにチャレンジしてきたが、顧客企業のDX推進に貢献できることが分かった。準備の4年が終わって拡大期に入る。5年目からはアクセルをふかす」
--成功事例とは
「NRIとDMG森精機は2018年1月、製造業のデジタル化を推進する『テクニウム』を設立したが、収益性の高いビジネスに創りあげるため、われわれは企画から開発、運営まで一貫して支援。私も取締役として成長にかかわっている。このほかにも資生堂や日本航空とも新たなビジネスを創出しサービスを提供している」
--成功をもたらした要因は
「プロジェクトに応じて必要なDXのプロ人材をコンサルタント、システムエンジニアリング、デジタルサイエンティストとそろえており、異なる能力を発揮しながら一つの仕事を素早くやり遂げる態勢を整えた。このためコンサルタントが提案して終わりではなく、ビジネスのデザインからシステム構築、さらにビジネスモデルを磨いて成果を上げるまで寄り添える」
--今後の展開は
「ビジネスの型ができたし、仕事の進め方も分かった。新型コロナウイルス禍で成長の時間軸がずれたが、想定通りに進捗(しんちょく)しており手応えを感じている。不動産など各業種向けDXや『BtoBtoB』、『BtoBtoC』事業の創造、新たな『SaaSインテグレーションサービス』などを手がけていく。早期に新しいプロジェクトの立ち上げにチャレンジしていく」
【プロフィル】雨宮正和 あまみや・まさかず 早大理工学部卒。1990年野村総合研究所入社。2013年コンサルティング事業本部パートナー、16年NRIデジタル社長。東京都出身。