積水ハウスは4日、阿部俊則会長(69)が4月27日付で特別顧問に退く人事を発表した。同日開催される定時株主総会後の取締役会で正式決定する。平成30年から進める同社のガバナンス(企業統治)改革に一定のめどが立ったほか、経営陣の世代交代を加速させることなどが狙い。後任の会長は置かず、仲井嘉浩社長(55)が新たに最高経営責任者(CEO)を兼務する。
阿部氏は平成20年4月に社長に就任、30年2月から会長を務める。社長就任以後、事業の多角化やグループ会社間の連携強化などを進め、同社の売上高は阿部氏の社長就任時から現在までにほぼ倍増した。
積水ハウスが4日発表した令和3年1月期連結決算は、売上高が前年同期比1・3%増の2兆4469億円、最終利益が12・5%減の1235億円だった。新型コロナウイルス禍を受けた営業活動の自粛の影響で戸建住宅事業などが落ち込んだが、元年10月に連結子会社となった鴻池組の業績が計上され増収減益となった。