IT

ソフトバンク通話抜き月2480円「ラインモ」 鍵はLINEとの連携

 ソフトバンクは18日、オンライン手続き専用の携帯電話の新プランについて、月額2980円(税別)から無料通話分を切り分けて2480円に見直すと発表した。KDDI(au)の新プランと同じ内容に変更する。大手3社の中で他社を追随する戦略をとったソフトバンクには「インパクトに欠ける」との声もあり、無料通信アプリ「LINE(ライン)」の連携が巻き返しの鍵を握る。

 新プランの名称は「LINEMO(ラインモ)」。3月17日から開始する。無料通信アプリ「LINE」のサービスが使い放題になるのが特長だ。

 昨年12月、NTTドコモの「ahamo(アハモ)」発表を受け、アハモと同じ国内通話5分間無料を含む月額2980円としていた。今回の見直しで、KDDIの「povo(ポヴォ)」に追随する形となった。ネット上では「後出しなのに付加価値がない」などと厳しい声が上がる。

 大手3社のオンライン専用プランは、コストを削減するために付加価値サービスをそぎ落とした結果、価格以外に競争余地がなくなった。楽天モバイルがデータ無制限で月2980円のプランを、消費量が20ギガバイト以下の場合に1000円以上値引きするよう改定し、競争を仕掛けるが、大手3社は様子見で膠(こう)着(ちゃく)状態に陥っている。調査会社のMCAの天野浩徳・通信アナリストは「会社をまたぐ移動は少ないだろう」と指摘する。

 ソフトバンクの課題は、LINEという“最大の武器”をどう活用するかだ。LINEのアプリ上で契約が完結し、即日で利用できるようになる手続きを模索している。使い慣れたLINEで簡単に契約できれば、オンライン手続きへの不安も払拭できる。

 ただ、「簡単なオンライン手続きはお客さまの声を聞きながら改善を続けなければいけない」(寺尾洋幸常務執行役員)と準備不足は否めない。傘下のZホールディングスとLINEの統合を3月に控え、期待が高まるスマートフォン決済「ペイペイ」やネット通販などとの連携をどう打ち出すかも注目だ。 (高木克聡)

Recommend

Ranking

アクセスランキング

Biz Plus