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総務省、NHK受信料の恒久的値下げを義務付け 剰余金充当…法令改正へ

 総務省はNHKに対し、積み立てた剰余金を受信料の値下げに充てることを恒久的に義務付ける仕組みを制度化する。18日召集の通常国会に放送法改正案を提出し、今秋には値下げに充てる剰余金の額などを定める省令改正を行う。NHKは自主的な取り組みとして令和5年度に剰余金約700億円を値下げに充てることを発表したが、法令改正により継続的な値下げが義務化されることになる。

 改正案では、NHKが積み立てた剰余金のうち、一定水準を超えた部分を受信料値下げの原資とすることや、剰余金が一定水準を超えながら、受信料を値下げしない場合、理由を視聴者に説明することを義務付ける項目が盛り込まれる。

 今秋には省令を改正、NHKの経営安定上必要な財務の水準や、値下げを実施する基準となる剰余金の積立額などを定める。政府関係者は「税金などは余ったら還付が当たり前だが、受信料にはこうした仕組みがなかった。それはおかしいということ」と話す。

 NHKの前田晃伸会長は13日、経営効率化などで生まれた剰余金など約700億円を原資とした5年度の受信料値下げ方針を発表した。衛星放送を含む契約者のみを対象とした場合、月額300円程度に当たる。一方で財政安定上、約800億円の剰余金を留保したいとの考えも示した。

 ただ、総務省の有識者会議は「平成2年から15年間は200~600億円の剰余金で財政上の問題が生じていない」と指摘する。総務省幹部も「民放などがコロナ禍で減収に苦しむ中、受信料が確実に入るNHKに800億円もの留保は必要か」とする。

 省令改正では200億円程度の留保しか認められないとの観測もあり、NHKは令和6年度以降、積み立てた剰余金を原資に5年度以上の値下げに踏み切らざるを得ない可能性がある。

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