AIG損害保険が新型コロナウイルスの感染防止のために一時的に導入している在宅勤務について、管理部門を対象に、出社義務のない「完全在宅勤務」(フルリモートワーク)として制度化を検討していることが21日、分かった。オンラインで業務を完遂できるかの実証実験を経て、来年度中の導入を目指す。新型コロナが再び猛威を振るう中、働き方の自由度を高め、社員の負担軽減と業務効率化を図る。
来年1~3月に関西の支店で、東京本社の経理や総務、人事など管理部門の業務を中心に、すべてオンラインで行えるか実証実験を開始。社員とのコミュニケーションをはじめ、顧客対応などにどのような影響があるかの検証を進める。
実証実験で問題がなければ、対象業務を担当する社員は原則として出社義務のない完全在宅勤務へ移行する。出社しない働き方の普及に合わせ、社内にあった社員個別用のデスクもなくし、今後のオフィスのあり方を変えていくほか、通勤手当や新入社員の教育方法なども見直していく。
同社はすでに昨年4月に転勤制度を改め、管理職を含む社員に対して、会社の都合による転勤を原則廃止している。社員は東京や大阪など全国を11に分けたエリアから、各社員が希望する勤務地を選択できるようになった。
現在、転勤を許容できる社員と、転勤せずに希望エリアに根付いて働きたい社員とを分けた配置換えを進めており、来年10月には完了する見通し。