【ワシントン=塩原永久】米ペンシルベニア州の連邦地裁は30日、米国内で中国系動画投稿アプリ「TikTok(ティックトック)」の利用を11月12日に全面的に禁止する米政府の措置を、一時差し止める判断を下した。9月に首都ワシントンの連邦地裁がアプリの配信禁止措置を差し止めたばかりで、トランプ政権が進める中国企業排除にとり相次ぐ痛手となった。
ロイター通信によると、連邦地裁の判事は、利用禁止措置により、米国で1億人近くが使う「表現活動に用いられる情報基盤が閉鎖される影響が出る」可能性があるため、差し止めを決めたと説明した。
米政府は、アプリ利用を通じた個人情報流出が安全保障を脅かす恐れがあるとして、ティックトックの利用禁止措置を決定。米企業へのアプリ事業の売却が実現しない場合、9月27日に新規の配信を禁止したうえで、11月12日に全面的に利用を禁じるとしていた。
米政府は配信禁止について差し止めを不服として上訴している。