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月探査へ飛行士世代交代 若田さん「新たな技量必要」

 日本人宇宙飛行士が約13年ぶりに募集される背景には、飛行士の高齢化がある。宇宙活動の舞台が現在の国際宇宙ステーション(ISS)から月や火星へ広がることを見据え、宇宙航空研究開発機構(JAXA)は次世代飛行士の確保を急ぐ。

 「月探査へ向け、日本の有人宇宙活動が広がっていく中での新しいステップ。素晴らしい、やりがいのある仕事なので、多くの皆さんにご応募いただきたい」

 JAXA特別参与で宇宙飛行士の若田光一さん(57)は23日、新規募集について会見を開き、こう呼びかけた。

 JAXAは昭和58年から平成20年まで5回にわたり宇宙飛行士を募集し、計11人を採用してきた。ただ、現在の7人の平均年齢は51歳。60歳で定年を迎えるため、新規採用がなければ10年後には2人だけとなる。

 一方、米国が国際協力で進める「アルテミス計画」は月だけでなく火星の探査も想定。米航空宇宙局(NASA)は「アルテミス世代」と呼ぶ若手飛行士の採用に乗り出しており、日本も定期採用することで世代交代に備えたい考えだ。

 今回採用される飛行士は、日本人として初めて月面に降り立ち、月面車など新たなシステムの操作を行う可能性もある。若田さんは「これまでの宇宙飛行士には求められていないような月に特化した知識や技量も必要になる。いろいろなミッションにフレキシブルに対応できることが重要だ」と話した。

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