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Web展示会支える最新IT 名刺管理アプリなど参入企業続々

 新型コロナウイルスの世界的な流行で多くの人が集まるイベントの開催が難しくなっており、オンラインによる展示会やセミナーが増えている。そんなオンラインイベントを支えているのが、「イベントテック」と呼ばれるIT技術だ。コロナ前の状況に戻れる時期が見通せない中、この分野に参入する企業が続々と登場している。

 クラウド名刺管理のSansan(サンサン)は、来場者管理システム「セミナーマネージャー」を独自に開発、イベントテックに参入した。オンライン開催で困るのが名刺交換だが、このシステムと名刺管理アプリ、さらにグループ企業や出資先企業の技術やソフトウエアと連携することで、参加者情報の管理だけでなく、募集ページの作成から開催後のアンケート管理などイベントの開催前から開催後までを一貫して支援する。

 求人情報サイトのウォンテッドリー(東京都港区)の名刺管理アプリ「ウォンテッドリーピープル」は複数枚の名刺をスマートフォンで撮影し、瞬時にデータ化する。5月中旬にアプリをリニューアルしたことで、9月末のアプリ利用回数は以前の2.5倍に増えた。

 名刺交換に限らず、展示会そのもののオンライン化へのニーズも高まっている。製品・技術検索サイト運営のエボルト(同渋谷区)は独自にオンライン展示会を企画。セールス、リモートワーク、健康経営、スマートファクトリー、環境・エネルギーの5つのテーマで11月に随時開催する。

 出展料は有料だが、閲覧は事前の利用者登録をすれば無料。出品者による15秒のPR動画を製作するほか、各社の動画がランダムで表示される機能も取り入れ、あたかも会場内を歩いているような感覚を得られる。

 展示会企画・運営のフジヤ(京都市中京区)やジゴワット(大阪市中央区)などでも、企業や団体の求めに応じて、オンラインによるイベントの企画などを請け負っている。

 新型コロナウイルスの影響を考慮し、毎回10万人以上の来場を集めていたデジタル技術の総合展示会「CEATEC(シーテック)」や、モノづくり技術をテーマにした「第30回日本国際工作機械見本市」は今秋、いずれもオンラインで開催される。首都圏では東京五輪の開催延期に伴い、東京ビッグサイトなど大規模展示場が向こう1年ほど使えない事態も起きている。リアルな展示会の中止が相次ぐ中で、中小製造業にとって、オンライン展示会は自社製品や技術の貴重なアピールの場となりそうだ。(松村信仁)

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