デジタル技術を活用する建設テックベンチャー、ランドデータバンク(LDB、東京都港区)は1日、建設業界向けの立て替え・決済サービスを始めた。建設業界は完工後に工事代金が入金されるため、着工時に必要な資材調達費や人件費の支払いに伴う資金繰りの課題を常に抱える。このサービスを利用すれば、資金繰りの改善に役立つ。
建設会社と、資材会社などのその取引先の両方が利用できる。建設会社は工事受注後に資材会社に支払いをするが、その費用をLDBが立て替える。立て替え額は最大1億円で、期間は最長10カ月。
資材会社などの取引先には最短2週間で入金される。初めての取引先の場合、支払い力が懸念されるが、このサービスでは全立て替え額をLDBが保証するため、そうした心配がない。
建設、資材会社などの取引先双方とも手数料は来年3月末まで立て替え額の1.0%。立て替えの可否に関しては、過去20年間の各社の財務データを基にLDBが独自開発した与信アルゴリズムによって判断する。来年には、建設機械の稼働データなども取り入れ、与信の精度をより向上させる。
LDBは昨年7月に設立。徳永順二社長は前職の携帯電話会社で基地局建設に関わっており、「建設業界のデジタル化と金融の一体化したサービスの必要性を感じていた」と話す。