動き出した働き方改革

橋下徹氏×高橋恭介氏(2-1)「いまが働き方改革の最大のチャンス」 (2/2ページ)

 可視化が求められるマスメディア

 鶴田 メンバーシップ型と言うと、やはり重厚長大型の企業に多いのではと思います。経営者がジョブ型に変えるのはいいと頭でわかっていても、組織に構造的な問題も残っており、改革の時代についていけないのでは。

 橋下 改革といっても以前やっていたことを全否定する必要はありません。それだと社員がついてこなくなりますから。ただ、逆に伺いたいのですが、情報をいち早く入手し、社会の先陣を切るメディアの中核である新聞社でさえ、旧来の慣例を変えられていないのが現状ではないでしょうか。

 鶴田 確かに、仕事の可視化が最も遅れている業界の一つがメディアかもしれません。反省を込めて言うと、とくに新聞社はそうですね。「俺はこう仕事してきた。だからお前も同じようなやり方でやるべきだ」というギルド的なものがまだ根強く残っているのかもしれません。

 橋下 逮捕事実を夜討ち朝駆けで他社より一刻も早く抜く。現場の記者はそこに命を懸けているように見えますね。もちろん、同業他社に負けたくない、いち早くスクープしたいという記者の気持ちがわからないわけではありません。ただ現状のままなら、マスメディアは生き残っていけないように思えてなりません。どのような仕事が評価され、どこを目指せばいいのか。そこが“見える化”されていかないと組織は誤った方向にいってしまう。どんな業種でもそうですが、人事評価は組織運営で一番重要なことだと思います。

 高橋 仕事の契約文化が日本と海外では決定的に違いますね。アメリカの契約は未来志向です。雇用契約書はものすごい厚さ。権利義務や目標管理も含め、すごく細かいところまで設定する。笑顔が良ければ5ドルアップとか。仕事の対価を徹底して考えている。これに対して日本はぺら一枚。こうした契約文化の違いも働き方や人事評価の違いにつながっているのではないでしょうか。

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