ワタミ焼肉営業本部本部長・新町洋忠さんに聞く
--和牛の焼き肉食べ放題チェーン「かみむら牧場」の展開を本格化させる
「肉を焼いて食べるのは世界共通。世界に誇る和牛を海外に展開しようと和牛生産者のカミチクグループと提携した。和牛は価格が高いが、かみむら牧場は3980円でA4ランクの鹿児島県産黒毛和牛が食べ放題。消費者の価格を見る目はシビアになっている。焼き肉を食べる際の一番の不安は、お会計がいくらになるかだが、食べ放題なら好きなだけ食べられる」
--店づくりで工夫した点は
「タッチパネルで肉を注文し、特急レーンで運ぶことにより、店舗で必要なスタッフの人数を半分に減らし、浮いたコストを原価に回している。小売りに勝つにはどれだけ原価をかけ、原価以外のコストをいかに下げるかだ。今や家庭で何でも食べられるのに、どうやって外食に足を運んでもらうかが重要」
--新型コロナウイルスの影響による営業自粛期間での売り上げはどうだったか
「自粛期間中は午後6時閉店だったが予算をクリアできた。緊急事態宣言が解除された後の週末は、予約が取れない状態で、想定の1.8倍を売り上げた。4分ごとに客席全体の空気を入れ替える吸排気システムや、タッチパネルと特急レーンによりスタッフとの接触が少ないなど、店舗の設備自体がコロナ対策にもなっている。ボックス席に他の来店客と視線が合わないように作ったついたても飛沫(ひまつ)拡散防止になっている」
--今後の事業展開は
「今後10年間で、国内400店舗、海外20カ国で300店舗の展開を考えている。国内では駅近一等地での小規模店舗も考えている。朝からずっと満席という店舗を看板店として作っていきたい」
【プロフィル】新町洋忠
しんまち・ひろただ 2003年ワタミフードサービス(現ワタミ)入社、執行役員居酒屋営業本部本部長、執行役員国内外食営業本部本部長を経て、20年1月から現職。カミチクグループとの合弁会社ワタミカミチクの社長を兼務。