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和歌山県の観光キャンペーン好調、1週間で1億4200万円売り上げ

 新型コロナウイルスの経済対策で、和歌山県民が県内宿泊施設などを利用する際、最大1万円を補助する県の観光キャンペーン「わかやまリフレッシュプラン」が、8日の発売から1週間で約1億4200万円を売り上げた。当初組んだ予算額の4割超にあたる好調ぶり。全国的に再び感染が増える傾向にあり、国も観光支援事業「GoToトラベル」対象から東京都発着の旅行を除外する中、安全な近場への観光需要をうまく取り込んだ形で、県の担当者は「反響は予想以上。売り切れ前に予定を組んで、県内旅行を満喫してほしい」と呼びかけている。

 プランは、新型コロナウイルスで打撃を受けた県内の観光業界を支援しようと企画された。

 県内のホテルや旅館など165施設と、旅行業者62業者が販売する企画旅行や宿泊プランが対象。上限は1人1泊あたり最大1万円で、額面5千円の電子チケットを事前に2500円で購入し、決済に使えば割引サービスが受けられる。対象期間は7月10日~9月30日出発分。県の予算額は約3億2千万円。

 県によると、6月下旬の実施決定後、販売時期や対象施設などについて問い合わせが急増。今月8日に特設サイトで電子チケットの販売を始めると注文が殺到し、翌9日には1万1千枚以上売れた。その後も連日4千枚以上を売り上げ、販売開始から1週間後の15日には、計約5万6800枚(1億4200万円分)に達した。

 専用のコールセンターには1日最大2千件の問い合わせがあり、一時はスタッフを増員して対応。インターネットを使えない利用者が直接、ホテルなどにプラン利用を告げる宿泊予約も増えているという。

 県の担当者は「『自粛疲れでリフレッシュしたいけど、遠方はまだ心配』という方が、県内は比較的安全と考えて利用するケースが多いのでは」と分析。「この機会に県内を巡り、楽しんでほしい。それが打撃を受けた地元企業の応援にもつながる」としている。

 県によると、プランは市町村が独自実施する補助事業とも併用可能で、国の「GoToトラベル」とも併用できるよう準備を進めている。

 問い合わせは「わかやまリフレッシュプラン販売促進事務局」(0570・01・2288、午前9時~午後6時、無休)。

 新型コロナウイルスで打撃を受けた県内の観光関係者は、わかやまリフレッシュプランによる県の後押しを歓迎する。

 日本有数の生マグロ水揚げ量を誇る観光地・那智勝浦町。「ホテル浦島」の担当者は、コロナ禍で全国からの団体客が以前のように回復しない中、「県内からのお客さまはありがたい」と明かす。

 ホテルによると、臨時休業を経て7月1日に営業を再開したが、以前と比べ主力の中部圏や近畿圏からのバスによる団体客は激減した。ただ個人客に限れば昨年より予約は多く、リフレッシュプランへの問い合わせも増えているという。

 南紀勝浦温泉旅館組合の担当者も「宿泊施設側も、県外に比べて感染者の少ない県内からの客は安心できるのでは」と話す。

 一方、関西有数の観光地・白浜町もコロナ禍の影響は大きく、白浜温泉旅館協同組合の担当者は、リフレッシュプランを歓迎する一方、「(宿泊客は)例年通りとはならない。早くコロナが収束し、県外からも安心して来てもらえるようになってほしい」と期待していた。

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