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本庶佑氏、オプジーボ特許使用料200億超の支払い求め小野薬品を提訴へ

 がん免疫治療薬「オプジーボ」の特許使用料をめぐり、2018年にノーベル医学・生理学賞を受賞した本庶佑(ほんじょたすく)京都大特別教授(78)が5日、製造販売元の小野薬品工業(大阪市)に対し、分配金約226億円などの支払いを求め、6月中旬にも大阪地裁に提訴すると明らかにした。同日、代理人弁護士らと京大で記者会見を開いた。

 オプジーボは、本庶氏らが発見した免疫を抑制するタンパク質「PD-1」の研究成果をもとに、小野薬が実用化。両者は共同で特許を出願し、平成18年に同社が特許を独占的に使い、本庶氏は対価を得る契約を結んだ。

 一方、小野薬と米国でオプジーボを販売するブリストル・マイヤーズスクイブ(BMS)は、オプジーボに似た薬を販売する米製薬大手メルクに特許侵害訴訟を起こした。2017年、メルク側が約710億円を支払うことなどで和解が成立したが、本庶氏はこの際にBMSと小野薬が決めた対価の配分割合を問題視している。

 本庶氏側によると、小野薬は本庶氏にこの訴訟への協力を求めた際、小野薬とBMSがメルクから受け取る金額全体の10%を支払うと伝達。しかし小野薬はその後、本庶氏に支払うのは全体の10%ではなく、0・25%だとする旨を通知したという。本庶氏側は「訴訟への協力を無視した異常な数字であることは明白。小野薬は比率の理由や合理性を一切説明せず、不誠実な対応に終始している」としている。

 これまで小野薬は、本庶氏に支払う20億円以上の対価を法務局に供託。一方、本庶氏側はこれを受け取る姿勢を見せていない。ただ小野薬は対価は見直さない一方、新たに京大へ寄付する方針を本庶氏に伝えている。

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