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台湾、ホテル運営でも「優等生」 星野リゾートは予約率9割超維持 (1/2ページ)

 新型コロナウイルスの感染拡大でホテル業界が大打撃を受ける中、感染対策で「優等生」とも称される台湾では、ホテル経営を継続させる試みも行われている。星野リゾート(長野県軽井沢町)が現地で運営するホテルも、地元の観光当局から防疫措置が取られた宿泊施設に認定された。同社の星野佳路(よしはる)代表は12日までに、感染拡大の封じ込めが最優先としたうえで、日本でも感染リスクを抑えたホテルの運営方法を追求する考えを示した。

 同社によると、台湾・台中で運営する温泉リゾートホテル「星のやグーグァン」が4月1日、台湾の台中市政府観光旅遊局から新型コロナ対策が取られた宿泊施設「安心旅宿」に認定された。日本の宿泊事業者としては初めてという。

 台中の観光当局では新型コロナによる混乱を機に、宿泊客の海外渡航歴や体調の確認、施設内の定期的な消毒、清掃状況など複数の項目を満たしたホテルや旅館を対象に認定を与える制度を設けたという。台中市政府観光旅遊局は認定したホテル一覧を公表しており、少なくとも230の施設が審査を通過している。

 星のやでは、チェックインはフロントでの手続きを一時的に中止し客室で対応することに変更。レストランでは、混雑回避のため入店時間の分散化を図っている。客室予約率は、今年1月から9割を超えて安定しており、台湾人客の割合は昨年12月の75%から、3月には98%に上昇した。星野氏は、感染拡大以前に旺盛だった台湾人による海外旅行需要が、各国の入国制限などを受け、「台湾域内に徐々に向かい始めている可能性がある」と分析した。

 星野氏は「日本ではいま感染拡大を皆で封じ込めようと努力してる段階だ。しっかり封じ込めたい」と強調。同社の運営施設は計7カ所が休業中だが、運営する全施設を対象に台中のホテルと同様、感染リスクがある密閉・密集・密接の「3密」を避けて宿泊客を迎える態勢作りを強化したい考えだ。

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