経済産業省は8日、中小企業などへの支給を同日始めた「持続化給付金」について、支給額を決める際、算出額の10万円以下を切り捨てる運用を見直し、1円単位で支給すると発表した。最初は10万円単位で支給し、差額は後から振り込む。再度の申請は不要。コールセンターや交流サイト(SNS)に運用の見直しを求める声が相次ぎ、梶山弘志経産相が判断したという。
今年1~12月の間で売り上げが前年比で50%以上減少している月があることが給付の条件となる。その月の売り上げの12カ月分を算出し、昨年1年間の売り上げから引いた額を、想定される「減収分」として給付する。当初の運用では、例えば算出された額が99万円だった場合、10万円以下を切り捨て、90万円しか支給されなかった。見直しにより、この場合は初めに90万円を振り込み、後日、9万円を追加で振り込むことになる。企業は200万円、個人事業主は100万円という上限額で支給された場合、運用の見直しは影響しない。
システムを改修すると支給が遅れてしまうことから、当面は2段階での給付を続ける。梶山氏は8日夕、省内で「苦しい状況に立たされている事業者の立場に立てば、全額支給すべきだと判断した。追加支給の時期は未定だが、できるだけ早くしたい」と述べた。