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需要減、高級食材値崩れ 神戸牛2割安、明石鯛や岡山ブドウも

 新型コロナウイルスの感染拡大による訪日客減少や宴会・外食自粛の影響で高級食材が値崩れしている。日本を代表する神戸牛の価格は1月に比べて2割以上下落。明石のマダイや岡山のブドウなどの生産者も危機感を募らせる。消費者にはうれしい話だが、供給側では影響長期化への不安が広がっている。

 神戸牛の生産者らでつくる神戸肉流通推進協議会によると、食肉市場に流通する1キロ当たりの価格は1月以降下落し続けている。1月は3410円だったが、4月は13日時点で2571円まで落ち込んだ。

 兵庫県の農家の男性は「東京五輪で来日する外国人の需要を当て込んで高値で子牛を買ったが、今は売れば売るだけ赤字になる」と危機感を募らせる。神戸牛のステーキを提供する飲食店関係者は「価格を下げれば客は来るかもしれないが、ブランド価値を損なうことになるので踏み切れない」と漏らしていた。

 「明石鯛」ブランドとして知られる兵庫県明石市のマダイの価格も値下がりしている。明石浦漁業協同組合によると、政府の緊急事態宣言が発令されてから価格が落ち込み、東京や大阪の料亭やすし店に流通する30センチ以上のマダイが通常の半値で取引されているという。担当者は「4月は明石の漁師にとって稼ぎ時なだけに痛手だ」と声を落とした。

 高級果物も先行き不透明だ。岡山県では、モモやブドウの本格出荷を控えるが、同県農産課の担当者は「百貨店などが閉まると、売り場がなくなって価格が下がる。夏までには騒動が落ち着いてほしい」と懸念する。

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