ロボット開発などを手掛ける「知能技術」(大阪市)はマウスやタッチパネルを使わず指をかざすだけで画面を操作できるソフトを開発した。不特定多数の人が触るATM(現金自動預払機)や駅の券売機パネルなどに採用することで、ウイルスの感染対策にもつながることが期待できる。知能技術は「指のマウス」の早期実用化を目指し、感染防止に役立てたいとしている。
2020年の夏までにパソコンやスマートフォン向けのソフト販売を目指す。内蔵するカメラに指をかざすと人工知能(AI)が動きを読み取り、マウスを操作するのと同じ感覚でポインターを動かしたり、クリックしたりできる。最大1メートル離れた場所でも認識でき、手袋をしたままでも操作ができるという。これまでは手の動きは認識できても指だけを検知することは技術的に難しかった。
タッチパネルはATMや券売機だけでなく、回転ずし店や飲食店チェーンの注文でも導入が進んでいる。感染リスクの高い医療現場でも需要が見込め、知能技術の大津良司社長は「新型コロナウイルスなどの接触感染防止のため、多くの場面での普及を目指したい」と話している。