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三洋化成、「全樹脂電池」初の商業生産 年内に参入、投資額50億円以上

 三洋化成工業は2日、福井県越前市に次世代型リチウムイオン電池「全樹脂電池」の工場を設置、年内に生産開始して蓄電池市場に参入すると発表した。2021年から量産する。投資額は50億円以上とみられる。

 全樹脂電池は、主要部材を従来の金属から樹脂に変えた蓄電池。従来のリチウムイオン電池に比べて製造コストを削減できるほか、安全性や形状の自由度が高く、コンパクトで大容量の特徴を持つ。本格的な商業生産は三洋化成が世界で初めて。

 子会社のAPB(東京都千代田区)が、同市内に土地と工場棟を取得した。当面は太陽光発電所や風力発電所からの電気をためる定置用電池を生産し、エネルギー事業者向けに売り込む。3~4年後には生産能力を電池容量で1ギガ(1ギガは10億)ワット時に引き上げる。

 APBは慶応大の堀江英明特任教授が18年10月に設立したベンチャー企業。19年2月に三洋化成と資本・業務提携して三洋化成の子会社となった。

 福井県庁で行われた記者会見で杉本達治知事は「APBは革新的な技術を持ち、社会を変える可能性のある企業」と強調。三洋化成の安藤孝夫社長は「5~10年後に国内外で数千億円規模の売上高を目指す」と述べた。

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