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豊かな生活をくれたのは…こんなに変わった、中国・北京の70年 (1/2ページ)

 まもなく暮れる2019年だが、今年は平成が終わり令和が始まったということで、平成の総括があらゆる場面で行われた。中国も同様である。今年は建国70年という節目の年だったので、やはりこの半世紀の変化に注目が集まった。(ノンフィクション作家・青樹明子)

 変化の度合いが大きいのは「北上広」と称される北京・上海・広東である。なかでも首都北京の過去と現在の差には改めて驚く。

 まずは域内総生産(GDP)。建国時1949年の北京のGDPは2億8000万元(約43億7600万円)だったが、2018年には3兆320億元にまで達している。

 経済成長に合わせて、人々の生活は格段に改善された。北京市民の可処分所得は、1955年の215元から2018年は6万2000元にまで上昇している。所得の伸びは生活の質も上げ、市民の平均寿命は建国初期の40~50代初めから18年は82歳と、約2倍である。

 住環境も大きく変わった。北京の住宅は、40年で広さが約5倍になった。1978年当時1人当たり約6.7平方メートルだったのが、2018年には約33平方メートルだ。交通方面も変化は顕著で、1969年に地下鉄1号線が開通して以降、今では22本の路線が北京を縦横に走っている。便利さは圧倒的である。

 公共交通の他、自家用車の保有率は特筆に値する。ほんの20~30年前まで「車」といえば自転車を指していたが、今では自家用車が普通のことで、北京都市部の保有台数は100家庭当たり52台である。車に象徴されるように、この70年で消費行動自体が大きく変わった。衣食住など生存するために必要な消費から、今は生活を楽しむための消費が主流である。

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