日本郵政グループは18日にかんぽ生命保険の不適切販売問題をめぐる社内調査を公表する。弁護士らで構成する特別調査委員会も同日最終報告書を公表する。不正に関与してきた販売員や、不正を見過ごしてきた経営陣らの責任がどこまで明らかになり、どのような処分が下されるかが焦点になる。
関係者によると、過去5年で不利益を被った疑いがある顧客約15万6000人のうち約12万人に連絡がつき、法令や社内規定に違反すると疑われる契約は15日時点で1万2836件にのぼった。
さらに販売員への聞き取りを経て、弁護士が違反の有無を判定したのは2487件で、法令・社内規定違反と認定したのは670件に及ぶ。だが、いずれの段階でも調査は途上であり、件数はさらに増える見込みだ。
麻生太郎金融担当相は17日の閣議後会見で「これだけ件数が多いと、組織的にやっていたのではないかという疑問を持つことは事実だ」とした上で、「コンプライアンス(の欠如)だろう」と、要因について見解を示した。経営陣らには進退も含め、厳しい処分が求められそうだ。
金融庁はかんぽ生命と日本郵便への立ち入り検査で多くの法令違反を確認しており、27日にも保険業法に基づき業務停止命令を出す方向で検討する。
郵政グループは自粛中の保険販売を来年1月に再開するとしているが、行政処分を受けて大幅にずれ込むとみられている。