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楽天・三木谷氏が通信テーマの講演会 トラブル多発の携帯電話事業に言及せず

 楽天の三木谷浩史会長兼社長は5日、大阪市内で開催されたイベントで講演し、日本はベンチャー企業の育成やシェアリングエコノミーで海外に大きく出遅れていると述べ、「日本には徹底的な規制、制度改革が必要だ」などと訴えた。

 三木谷氏は「世界は今、所有型から共有型の経済に移行している。例えば自家用車を保有するのではなく、シェアすることで、圧倒的な効率が発揮できる」などと指摘し、日本でシェア型経済への移行が進まないのは「既得権益を持つ企業や、許認可権を持つ行政が変わらないからだ」などと主張した。

 三木谷氏は、自身が代表理事を務める一般社団法人「新経済連盟」のビジネスカンファレンスで登壇。第5世代(5G)移動通信システムなどが講演のテーマとされていたが、大半は規制改革への意見表明にあて、通信分野の話題については5Gの特徴などを述べるにとどめた。

 楽天は携帯電話事業の基地局整備の大幅な遅れが指摘され総務省から繰り返し行政指導を受けているほか、10月に限定的に始めた無料携帯電話サービスでは接続できないトラブルが多発。同省が聞き取り調査に乗り出している。この日は自社の携帯電話事業の問題に関する言及はなかった。7日の決算発表を前に、言及を避けたとみられる。

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