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アマゾン「お坊さん便」ついに中止 “水と油”仏教界と葬儀業界が急接近 (1/3ページ)

 ネット型僧侶派遣サービス「お坊さん便」を提供している業界大手「よりそう」が、アマゾンから撤退することがわかった。10月24日に発表する予定だ。ジャーナリストで僧侶の鵜飼秀徳氏は「今回の撤退は、宗教者や宗教行為をECサイト上で“商品”として扱うことに抗議していた全日本仏教会との話し合いの結果だ。今後、ネットで宗教行為をどう仲介するかがあらためて問われることになるだろう」という――。

 アマゾン「お坊さん便」が突如中止になった背景

 インターネットサイトを通じた僧侶派遣業が変革期を迎えている。

 アマゾンに「お坊さん便」の名称で出品していた僧侶派遣大手「よりそう(旧みんれび、東京都品川区)」が、24日でアマゾンから撤退することがわかった。同社は同日中にも正式に発表する。

 現在、僧侶派遣業は10社以上あるとみられている。近年はDMM.comグループなどに加え、一部仏教団体が僧侶派遣業に参入。群雄割拠の様相を呈していた。利用者数でトップを走る、よりそうの事業転換は今後、仏教界や葬儀業界に波紋を与えそうだ。

 「僧侶は業者に使われる立場になったのか?」

 「グーグルの検索でナンバーワンにしますから、仕事はいっぱい回ってきますよ」

 今春、北関東の会場で僧侶派遣に新規参入した業者の説明会が行われた。担当者はこのように説明して、参加者の僧侶に登録を促したという。参加者は約20人。業者はさらに「うちは他社に比べてお坊さんの取り分が10%ほど多い」と強調。業者は僧侶の獲得に必死だ。

 すでに2社に派遣登録しているという参加者の住職A氏は、

 「ビジネスモデルとして、僧侶は業者に使われる立場になったということでしょうか」

 と嘆きつつも、この会社でも登録することを決めた。

 ロクにお経も読めない僧侶が派遣されることもある

 ネット型僧侶派遣業とは、ECサイトや自社サイトなどを通じて決済し、登録されている僧侶を派遣し、読経してもらうサービスのことだ。業者は依頼主の宗派や所在地を鑑みて、条件に適合する僧侶とマッチングさせる。すると指定した日時、場所に僧侶がやってきて読経してもらえる仕組みだ。

 しかし、ECサイトからの依頼では僧侶の属性などの丁寧な説明がなく、現場でトラブルが生じるケースもある。また登録される僧侶の「顔」が見えないという不透明さも不安材料だった。

 先出の僧侶は言う。

 「僧侶登録は実に簡単。この会社(先述の説明会をした業者)は、宗門の定める僧侶資格免状のコピーと免許証があれば、あとは電話面接するだけだという。免状なんか悪意があれば、簡単に偽造できてしまいますからね。派遣される僧侶がモグリであっても、依頼者には分からない。ロクにお経も読めない僧侶が登録されていたり、態度が悪い僧侶などもいたりして、クレームは少なくないようです」

 「明朗会計」が僧侶派遣サービスの良さ

 それでも僧侶派遣サービスには、一定のニーズがある。布施料金がハッキリと明示されているからだ。

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