24日に開幕する「東京モーターショー2019」では、自動車各社による電動車が“主役”となりそうだ。トヨタ自動車は、対話できる人工知能(AI)を搭載する自動運転電気自動車(EV)の試作車などを出展。エンジンの性能向上にこだわりを持つマツダも、同社初の量産EVを世界初公開する。今月、吉野彰・旭化成名誉フェローがノーベル化学賞を受賞。電動車はいずれも、吉野氏らが開発したリチウムイオン電池を搭載しており、各社はこれまで以上に電動車の取り組みをアピールする方針だ。
トヨタの自動運転EV「LQ」は、AIが運転者の表情や動作から感情、眠気などを推定し、話しかけたり音楽をかけたりして移動中の安全や快適性を提供。それぞれの人に最適化し、データはトヨタの別のAI搭載車に乗り換えても引き継がれる。新時代の「愛車」をイメージしたという。EVの普及が注目される背景には、自動運転機能との親和性が高いこともある。
日産自動車の軽自動車EVの試作車「IMk」も、高速道路だけでなく主要幹線道路を対象とした次世代の運転支援技術を搭載。スマートフォンで自動駐車する機能などを想定しているという。星野朝子副社長は、「快適でストレスフリーな移動の時間を楽しめるEVだ」とコメントした。
前回までの東京モーターショーでは、EVといえば試作車がほとんどだったが、電動化の進展で、量産モデルの出展も相次ぐ。マツダは量産EVの詳細を明らかにしていないが、「EVならではの特性を最大限に生かすことで、ドライバーが運転を楽しめる走りを実現する」としている。
ホンダも、来年日本で発売する都市型EV「ホンダe」を出展する。「力強い走りと取り回しの良さを、モーターと後輪駆動で実現した」とした。インターネットでつながるコネクテッド技術やAIを用いた音声認識機能も搭載している。
EV以外の電動車では、トヨタが水素を燃料として走る燃料電池車(FCV)、スズキや三菱自動車が家庭用電源で充電できるプラグインハイブリッド車(PHV)を出展する。