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発端は「お家騒動」?! コクヨ・ぺんてるの提携交渉、事態は複雑化 (1/3ページ)

 国内文具最大手のコクヨ(大阪市)が突如、ぺんてる(東京都)の実質的な筆頭株主に躍り出たことで注目を浴びた業界内の騒動。ぺんてるは約4カ月を経た9月24日、株式譲渡に同意し、ようやく事態は落ち着きつつある。ただ、ぺんてるは業界2位のプラス(東京都)との提携を模索していたことも明らかになり、コクヨとの提携には「依然白紙」とつれない。縮小する国内市場でのシェア争いや、ぺんてる側の「お家騒動」も絡まり、事態は複雑化している。(山本孝志)

 資本参加は突然に 

 「両社の持続的な企業価値の向上に向けて、ぺんてると具体的な取り組みを進めてまいります」

 5月10日、コクヨがひっそりと出したぺんてるへの「出資」決定の発表資料に、驚きが広がった。何より驚いたのが、当のぺんてる。コクヨからぺんてるに連絡が入ったのは、発表直前だったためだ。

 資本提携では当事者同士が交渉を重ねて合意し、共同発表する例が多いが、今回のぺんてるは蚊帳の外に置かれたまま自社株が買い取られた格好となった。ぺんてる側は「急な出資で遺憾」と強く反発。「創業来の独立性を堅持」などと態度を硬化させた。

 出資の方法も異例だった。コクヨの発表資料の表題は「『投資事業有限責任組合』への出資に関するお知らせ」。ぺんてるへの出資、とは書かれていない点がポイントだ。

 上場していないぺんてるの株には譲渡制限が付き、取締役会の承認を得なければ譲渡できない。そこで今回コクヨが取った出資方法は、投資ファンド「マーキュリアインベストメント」(東京都)が運営する「投資事業有限責任組合」の子会社化だ。

 マーキュリア社はそれまでに保有していた、ぺんてる株37.45%を組合に移転。コクヨが約101億円を投じて組合を子会社化し、間接的にぺんてる株を手に入れた。

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