ロボット開発ベンチャーのオリィ研究所(東京都港区)は7日、重度の障害者や外出困難な人が同社の分身ロボット「OriHime(オリヒメ)」を遠隔操作して接客する期間限定カフェを東京・大手町にオープンした。昨年11~12月に続く2回目の試みで、障害者らの役割分担を増やすなど改良。カフェの開設は23日まで(不定休あり)だが、吉藤健太朗・最高経営責任者(CEO)は「来年には常設を目指したい」としている。
昨年の期間限定カフェでは、インターネットで資金を募るクラウドファンディングで約330万円を調達し、約1000人が来場。ロボットを操作した障害者ら10人のパイロットからは「人と接することで大きな刺激を得た」「以前より話すのがうまくなった」といった声が寄せられたという。
今年は昨年の3倍以上となる約1000万円の資金を調達。パイロットの応募者も増え、30人がロボット操作にあたる。海外からロボットを操作するケースもあるといい、パイロットの増加に伴い、注文係、給仕係、ホールマネジャーなど役割を細分化させた。
カフェではロボットによる接客のほか、同社が提供する視線入力装置を使って寝たきりでのコミュニケーションも体験できる。
オープンセレモニーに参加した作家の乙武(おとたけ)洋匡(ひろただ)さんは、国連本部での小泉進次郎環境相の発言を引用し、「(障害者の雇用促進を)セクシーに解決している」と同社の取組を評価した。