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リニア時速500キロを記者が体験 試乗は当面休止

 JR東海が令和9年の品川-名古屋間開業を目指すリニア中央新幹線の報道関係者向け試乗会が3日、計画路線をそのまま使った実験線(山梨県上野原市-笛吹市、42・8キロ)で行われ、営業運転を想定した実験用車両「L0(エルゼロ)系」を記者が体験した。

 都留市の実験センターを発車。最初はタイヤで走り出し、時速約150キロで浮上走行に移った。タイヤを格納するときと出すときは軽い衝撃がある。

 区間の82%がトンネルのため、山梨の山々は一瞬しか見られない。そのためスピードはさほど体感しなかった。品川-名古屋間も9割がトンネルや防音防災フード内を走る計画だ。

 約4分後、車内のモニターに「時速500キロ」の文字が映し出されるころには、音や振動は東海道新幹線をかなり超えていた。「風圧があるため」と担当者は説明する。

 実験用に持ち込んだ清涼飲料水をコップに注ぎ、テーブルの上に置いていたが、水面が大きく揺れた。こぼれることはなかった。JR東海は音や振動を抑える改良を進める。

 減速すると、飛行機に乗ったときと同じ「耳ツン」を感じる。実験線の中での標高差が400メートルあるためという。

 これまで延べ11万5千人が参加してきた一般向け試乗会は、改良型実験用車両の導入のため15、16日を最後に当面休止される。時速500キロを体験できる機会はしばらくの間なくなる。(渡辺浩)

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