関西電力役員らの金品受領問題で、八木誠会長(69)は28日、産経新聞の取材に応じ、平成18年から22年の間に、現金を含めた儀礼の範囲を超える金品を受け取ったが、それ以降は受け取っていないと明らかにした。関電は27日の記者会見で、23年から30年にかけて八木会長と岩根茂樹社長(66)らが金品を受け取っていたと発表しており、時期が矛盾することになる。調査の信憑性に疑問符が付く格好だ。
八木会長は原子力事業本部長代理に就いた18年6月から同本部長を経て22年6月に社長に就任するまでの間、高浜原発のある福井県高浜町の有力者であった元助役、森山栄治氏(故人)と交流したと説明。
常識の範囲を超える現金や物品を渡されたこともあったといい「先生(森山氏)から、もらいたくてもらっているお金ではない。できれば返したいと思ったが、やむなく受け取った形」と話した。受領後は個人で保管していたといい「結果として返したし、工事では便宜を図っていない」と強調。辞職を否定した。
また、22年の社長就任後は儀礼の範囲を超える金品を受領していないとした。27日に岩根社長が記者会見で発表した、八木会長を含む20人が23年から30年に約3億2千万円相当を受け取ったという説明と矛盾することになる。
八木会長は27日の記者会見について「説明が足りない。改めて会見を開く必要がある」と話した。金品の受領時期や火力発電所を含む他の発電所などにも対象を広げ、関係者に再調査する方針も明らかにした。