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KDDI、ホテル全国展開検討 多角化の一環 キックボード貸し出しも

 KDDIが来年にも、ホテル事業を全国展開することを検討していることが23日、分かった。来年の東京五輪・パラリンピックに備えて11月にも東京都内に出店する。また、同社がファンドを通じてシェアサービスの運営会社に出資した電動キックボードを宿泊客に貸し出すことで、移動の利便性を向上させることも視野に入れる。

 KDDIは、携帯電話などの通信事業以外の多角化を進めており、その一環。増加が見込まれる訪日客向けのサービスを充実させ、訪日客の消費を取り込む考え。

 KDDIがファンドを通じて出資したホテル運営のホスティ(福岡市)は、同市内で15カ所程度を運営している。ホスティのホテルは、商業施設の空きフロアなどに2カ月程度で出店できるのが特徴で、関係者は「都内では、11、12月にJR浜松町駅辺りに出店したい」と述べた。来年以降は、都内だけでなく全国の大都市に出店を検討する。

 さらにKDDIは、欧米で時間単位で貸し出すシェアサービスとして普及が進む、電動キックボードを宿泊者に貸し出す事業を検討する。KDDIは出資先の米LIMEと共同で、普及に注力している福岡市で電動キックボードの試乗会を行っており、同市内のホスティのホテル宿泊者に貸し出すことを優先的に検討する。

 KDDIが訪日客など観光客向けの宿泊事業を強化するのは、飲食店予約などのさまざまなサービスを連携させることができるからだ。関係者は「通信企業では訪日客の消費の取り込みはまだ進んでいない」と述べ、競合他社に先行して宿泊事業に注力する方針を示した。

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