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台湾・工業技術研究院 王鵬瑜氏に聞く(上) (1/2ページ)

 技術・人材の中国流出は厳正管理

 来年1月の総統選を控え、台湾の対中ビジネスリスクは高まっている。このほど来日した世界トップクラスの開発力、特許力を誇る台湾・工業技術研究院(ITRI)の技術移転・法律センター(TTLC)の王鵬瑜センター長に「新南向政策」の進展状況や、今後の日台技術連携における課題などを聞いた。ITRIは台湾最大の公的研究開発機関として知られる。

 --蔡英文政権は目玉政策に「新南向政策」や「5+2イノベーション政策」を掲げているが、ITRIの役割とは

 「政府からの依頼により、新南向政策では交流・協力対象18カ国の市場分析、技術ニーズ探索の他、台湾企業の現地訪問などさまざまな関係構築活動を進めている。5+2政策では国防以外の6分野に関与し、革新的企業誘致や実証事業などで具体的な事業運営を担う他、自国技術でのイノベーション創造へ向け、さまざまな技術協力をしている」

 --両益関係になれる国は見つかったか

 「この数年では、ベトナム、シンガポール、タイ、インドとの連携に高い将来性が見えてきたところだ」

 --国内企業および海外展開企業に技術や特許を提供して事業化を支援しているが、技術支援や技術移転で何を重視しているのか

 「われわれがどのような技術を提供できるかではなく、当事者との信頼関係が最も重要だ。加えて当事者に何をやりたいかという構想があれば、課題は必ず突破できる」

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