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IHI、「海流発電」の実証機公開 21年度以降の実用化目指す

 IHIは25日、黒潮の流れを利用した「海流発電」の長期実証試験を鹿児島県の口之島沖で秋に開始するのを前に、実証機「かいりゅう」を横浜市内で報道陣に公開した。試験期間は1年以上の予定で、2021年度以降の実用化を目指す。

 かいりゅうは「水中浮遊式」と呼ばれるタイプで、全長と幅が共に約20メートル、高さが約6メートル。口之島の北約10キロの海底にアンカーを下ろして水深30~50メートル付近を漂いながら、海流でタービン翼を回転させて発電する。出力は100キロワットで、海底ケーブルで地上に送電する。

 17年8月に口之島沖で行った7日間の試験では、最大30キロワットの発電に成功した。IHIはさらに、機体の安定性を向上させるなどの改良を施した。

 海流発電は、天候や時間帯に左右されずに安定した電気を供給できる自然エネルギーで、IHIは「うまく長期試験を終えることができれば、実用化に向け大きく前進できる」と期待する。

 将来的に、発電コストは太陽光発電を下回る1キロワット時当たり20円、発電機の価格は約10億円を目標としている。

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