日本郵政傘下のかんぽ生命保険の不適切な販売問題で、保険を乗り換えさせた顧客に対し新旧契約の保険料を故意に二重払いさせていたケースが約2万2千件あることが8日、分かった。日本郵政の関係者が明らかにした。新契約の締結から旧契約の解約まで6カ月以上になると、営業成績に応じて得られる郵便局員らの手当金が増える。これを目当てに解約を先延ばしさせた疑いがあるという。
関係者によると、平成28年4月~30年12月の新規契約分で保険料の二重払いがあったのは、28年度が約6400件、29年度が約8500件、30年4~12月が約7千件。いずれも新契約を結んでから7カ月後に旧契約が解約され、二重加入になった。
かんぽ生命は6月27日、乗り換え時に健康状態の悪化などを理由に再契約しなかった事例が、今年3月までの5年間で約1万8900件あったと発表。保険の特約切り替えで対応できたのに、旧契約を解約して新契約を結び直した例も29年10月以降に約5千件あり、合計の約2万4千件を対象に契約内容の精査を進めている。