東京五輪後にあたる令和3(2021)年は、主要9都市のホテル客室数が需要を上回る-。こんな試算を不動産サービス会社の「CBRE」が10日、発表した。訪日外国人客の増加を見込んだ宿泊施設の建設ラッシュが続いているためで、同社はホテル同士の競争激化で「優勝劣敗が生じる可能性がある」と分析した。
同社の「ホテルマーケット展望」によると、3年時点の主要9都市(東京、大阪、京都、札幌、福岡、名古屋、広島、那覇、仙台)のホテル客室数は平成30年に比べて計8万室増え、1.24倍になると予測。そのうえで、訪日客の増加や人口減少などの影響を踏まえて、需給を試算した。
その結果、9都市すべてで客室数が、宿泊需要(客室稼働率85%想定)を上回った。計6.5万室が供給超過の状態で、大阪が2.1万室と最も多く、約3分の1を占めた。次いで、東京、京都がそれぞれ1.2万室、名古屋8千室と大都市での超過が目立った。
ただ、客室の増加によって、これまで宿泊予約がとれず都市周辺で泊まったり、日帰り旅行に切り替えたりした人らの「潜在需要を掘り起こせる可能性がある」とも指摘し、「必ずしも、供給が多すぎる状態になるとはいえない」としている。