◆ぱちんこジャーナリスト、LOGOSインテリジェンスパートナー・POKKA吉田
ぱちんこ業界には数多くの組合・団体が存在する。そのうち、警察庁が認証している団体は14あって、その14団体が集まるパチンコ・パチスロ産業21世紀会という連絡組織を構成している。その21世紀会が5月14日に「パチンコ・パチスロ依存問題フォーラム」を開催した。5月14日はギャンブル等依存症対策基本法に基づいて初めてとなる、ギャンブル等依存症問題啓発週間の初日だった。それに合わせる形でのフォーラム開催だ。
21世紀会としては、啓発週間に何かをするように、と警察庁から強く要請されてのフォーラム開催としたが、啓発週間のため、というよりは、このフォーラム開催はその趣旨はもう少し具体的なものとなっていた。それは「安心パチンコ・パチスロアドバイザー」の質向上のため、というものである。全国にこのアドバイザーを3万人ほど用意できているのが今の実態だ。専門の講習を受けて初めてアドバイザーとなるのだが、専門的な講習は実際にはDVD化された動画を見る、という形になっているケースが多い。このため、アドバイザーとなったはいいが、実際にさまざまな問題を抱える遊技客に対して効果的なアドバイスができるように、というのがフォーラムの趣旨となっている。
リカバリーサポートネットワークという、電話相談窓口がある。ここにホール企業から何人も出向してきたが、その出向経験を持つ人たちが自身が受け持った相談ケースを披露して、どのようなアドバイスをしたか、ということを紹介するのが一番のメインだった。
全国のホールに配置されたアドバイザーよりも出向経験を持つ人の方が恐らく相談対応スキルは高い。このため出向者たちによるパネルディスカッションは2時間近い尺で実施されていた。
このフォーラムも恐らくDVD化され全国のアドバイザーたちが視聴することになる。数万人を会場に集めるよりはその方が効率が良いからだ。啓発よりも質向上を目指した初の啓発週間であった。
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【プロフィル】POKKA吉田
ぽっか・よしだ 本名・岡崎徹。1971年生まれ。神戸大学経済学部中退。著書に『パチンコが本当になくなる日』(扶桑社新書)など。2016年2月から本名の岡崎徹としてぱちんこ業界紙「シークエンス」発行人編集長。