経済インサイド

地域文化の発信へ こだわりホテルの開業相次ぐ (1/3ページ)

 平成30年の訪日外国人観光客数は3000万人を突破し、今後も堅調に推移する見通しだ。これに伴い都内や地方都市では、外国人観光客を意識したホテルの開発が相次いでいる。キーワードは地域文化の発信だ。

 3月中旬、日本三名園のひとつである兼六園(石川県金沢市)の徒歩圏に、グランビスタ ホテル&リゾートが「ホテルインターゲート金沢」(客室数・166)を開業した。デザインを監修したのは三井デザインテック。外国人観光客の間で高い人気を誇る古都・金沢らしさを感じさせるデザインを、積極的に取り入れたのが売り物だ。

 例えば現地の日常生活に浸透している茶の湯文化を具現化。茶筅(ちゃせん)に見立てたコーヒーカウンターをロビーの中心に設置した。

 館内の至る所には金沢城の石垣に見られる亀甲形のデザインを施した。また、臙脂と藍、黄土、草、古代紫を基調とする「加賀五彩」を客室の中やロビーの随所に採用。デザインを手がけた同社の三樹旦子(みき・あさこ)さんは「最高の朝を届けるというホテルのコンセプトにふさわしい色彩」と話す。

 一方で蒔絵(まきえ)体験や加賀八幡起き上がりなど、石川ならではの伝統工芸を学べるワークショップを随時開催していく。黒田英紀支配人は「今後、和菓子づくりにも取り組んでいけたらと思う」と意欲を示す。

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